りげんどうの日々

独逸壁(掃き付け仕上げ)

2011年8月18日


独逸壁仕上げをして下さっているのは、品川博さん。

この度、大和塀の基礎と、

仕切り塀を、独逸壁に仕上げいたただきました。
仕切り塀には墨を入れて、ねずみ色の独逸壁になっています。

担当してくださったのは、品川さん御一家。
今回は、親方以外のお三方が、再び兵庫県加古川からお越し下さいました。


写真中央の壁一枚の壁を塗るのと、

仕切り壁を塗りに、現場に再びお越しになったのですが、

塀ができたり、全体的に調和していくと、大和塀の土台部分が目立ってきて、

設計士の渡部さんが、品川さんにご相談。

材料があること、限られた時間の内で仕上がるという理由から、独逸壁をご提案いたさきました。

ささらは、見学にいらしていた富沢建材の冨澤社長が、

調達してくださいました。この度も大変お世話になりました。

ささらの目処が立ちましたので、早速作業に取り掛かられました。

その奥で、冨澤社長と渡部さんが嬉しそうです。

ペンキをはいだり、

補修をしたり、

面の掃除をして、時間的なことから判断を下され、

接着剤のシーラー塗る作業に入られます。

塀に飛ばないように養生をして、

ネットを切る作業へ。ここまでとてもスピーディーな連携作業です。

そして、清志さんがネットをふせこみながら、接着剤を混入したモルタルを下塗り。このあと、掃き付けるモルタルがつきやすいためです。ネットは、補強のため。

ネットが見えないよう、モルタルを塗ります。

独逸壁仕上げ後、その隙間からネットが見えないように。

博さんによる、掃き付けが始まりました。

その横で、ネットを貼る作業が同時進行で行われています。

  

呼吸の合った、連携作業です。

掃き付けは瞬く間に進んでいきますが、

ネットを隠す作業も同時に速やかに。

下地が乾いてしまうと、掃き付けたモルタルがくっつかないため、
時間を争う作業です。

博さんの後を、次は清志さんが追って。

隙間を埋めるように、掃き付けていらっしゃいます。

終わった後は、

養生に飛んだ部分をきれいに掃除して、乾くのを待ちます。

掃き付けが終了した途端に、大粒の雨が降ってきたため、

大急ぎで、養生をおろして、雨から仕上がった壁を守ります。

◇◆◇
そして、どしゃぶりの中、仕切り壁への作業へ。
ねずみ漆喰仕上げが、急きょ、ドイツ壁仕上げに変更になりました。

先日、ブロックを積んでつくられた仕切り壁。

ブロックを積んだばかりでしたので、ヒビが入る可能性があったため、

午前中に、樹脂を混ぜたモルタルで全体的に下塗りをして、
グラスファイバーで補強し、

その上から再度、モルタルを塗った状態で、置いてありました。

狭い所はいつも清志さんがご担当。

清志さんの手が見えていますが、

ここから先は、福太郎さんに託されます。

壁につかないで向こう側へ無事移動。

こてが使えないので

手にビニールを巻いてセメントを塗られています。

こてで表面をならして終了。

清志さんいわく、「正解の処理」だそうです。

ねずみ漆喰用に下塗りがされていましたが、
同じアルカリ性で対応できるということで、独逸壁仕上げになっても問題はないそうです。

墨を混ぜて、塀の基礎幅木と住み分けをしてあります。

掃き付けが接着しやすいように、一度モルタルを塗ります。

そして、乾かないうちに、掃き付けます。初めは、博さんと清志さんで。


その後は、清志さんと、福太郎さんで、隙間を埋めるように掃き付けます。



小さい粒を掃き付ける時は、こて板に薄く、モルタルを敷かれるそうです。

ここで、子供サイズくらいの小さいこて板が登場。

博さんが狭いところを担当されるようです。


上から見たところ。
とても狭いところですが、視界に入るところですので、同じように仕上げてくださいました。

雨も上がって、養生を取ると、

  

独逸壁が顔をだします。

その周りには、

出来上がった塀を見つめる方と、

細かくチェックする方の姿が。


苔が上がったりして、徐々に雰囲気がでてくるそうです。

 

◇◆◇◆
垂涎ものの、清志さんの こてコレクション リターンズ。

光にあたって、きれいなこて。

これは一体何から作られたこてでしょう。

  

真中を打ち出してあります。

清志さんは、細かいところ、手のかかるところを担当されていました。

出来上がった壁の向こうでなにやらされています。

壁の補修をしてくださっていたようです。

真中にある、小さく点になっているのは、削れたところを直していただいた所。
今後補修ができるように、漆喰を置いていってくださいました。

品川さんご一家には、限られた時間の中で、いろいろ難題をお願いして、
たくさんのワザや、見事な連携を見せていただきました。