りげんどうの日々

3月2021

桃の節句すぎて

2021年3月5日

桃の節句すぎ、寒さ暖かさを繰り返しながら季節巡る3月の上旬。今朝は、線路わきに咲く菜の花が春の訪れを告げていました。たんぽぽもそうですが、きいろにみどりの取り合わせを見ると、ぐっと心がはるめくのはなぜでしょう。

なかなか落ち着かない世情に、当面の間、りげんどうの週末営業は続きそうです。私たちも手さぐりながらの日々。今日は、明日からの営業に向けてキッチンでせっせと仕込みが進められています。

そら豆、新じゃが、新玉ねぎ。みずみずしい春野菜たち。新玉ねぎは、出汁でことこと煮込み甘みをじっくりと引き出します。素材ひとつだけの、シンプルなおでん。お膳に上るのがたのしみです。

先週のこと。歳若い女性のお客様が、食後に頼まれたお汁粉をみてじっとしていました。どうしたのかな、と思えば、お汁粉に入っていた金柑の甘煮を、ミニトマトと思い驚いていたとのこと。そうか、普段は食べる機会の少ない食材だなあと思い「喉にやさしいので丸ごと食べてくださいね」とお伝えすると、ほっとした様子で召し上がって下さいました。その可愛らしい様子が印象的で、季節の移ろいを感じる機会のすくない東京だからこそ、伝えていきたい食べ物の旬のよろこびがあるなと改めて感じたのでした。