りげんどうの日々

スタッフのつぶやき

桃の節句すぎて

2021年3月5日

桃の節句すぎ、寒さ暖かさを繰り返しながら季節巡る3月の上旬。今朝は、線路わきに咲く菜の花が春の訪れを告げていました。たんぽぽもそうですが、きいろにみどりの取り合わせを見ると、ぐっと心がはるめくのはなぜでしょう。

なかなか落ち着かない世情に、当面の間、りげんどうの週末営業は続きそうです。私たちも手さぐりながらの日々。今日は、明日からの営業に向けてキッチンでせっせと仕込みが進められています。

そら豆、新じゃが、新玉ねぎ。みずみずしい春野菜たち。新玉ねぎは、出汁でことこと煮込み甘みをじっくりと引き出します。素材ひとつだけの、シンプルなおでん。お膳に上るのがたのしみです。

先週のこと。歳若い女性のお客様が、食後に頼まれたお汁粉をみてじっとしていました。どうしたのかな、と思えば、お汁粉に入っていた金柑の甘煮を、ミニトマトと思い驚いていたとのこと。そうか、普段は食べる機会の少ない食材だなあと思い「喉にやさしいので丸ごと食べてくださいね」とお伝えすると、ほっとした様子で召し上がって下さいました。その可愛らしい様子が印象的で、季節の移ろいを感じる機会のすくない東京だからこそ、伝えていきたい食べ物の旬のよろこびがあるなと改めて感じたのでした。

大切なこと

2021年1月23日

大寒も過ぎ、あたたかな日が続いていましたが、今日は久しぶりの雨降りです。通勤の途中、ふくらみ始めたこぶしの花の芽を見かけました。季節は確実に春へと向かっているようです。

一日を通して冷たい雨が続きましたが、お店は思いのほか盛況で、足場のわるいなか多くのお客様が訪ねて下さったことを心からありがたく思いました。週に3日の営業となって、間もなくひと月が経ちます。初めはどうなることかと気を揉んでいましたが、思いがけず訪れた空白の時間。日々せわしなく動いてきた私たちは、改めて、「考えること」を余儀なくされました。

厳しい状況を、どう乗り越えていくか。限られた時間のなかで、どれだけ喜んでいただけるか。今もまだ、考え続けています。

今朝は、誕生日を迎えたスタッフに、お店からささやかなプレゼントが贈られました。普段は花束など皆で渡すのですが、休業期間中とあって、予算はほんの、気持ちです。今回贈られたのは…

なんとバナナ!!このバナナ、ただのバナナではありません。

よく見ると浮かぶ「HAPPY BIRTHDAY」の文字。絵を描くのが得意なスタッフが、夜を徹して(⁉)掘った芸術品なのでした。なかにはこんなキャラクターも。

受け取ったスタッフは、「今までで一番うれしい!!」と喜んでくれました。気持ちのこもったものであれば、見慣れたものも、素晴らしい贈り物になりますね。またひとつ、この場所で、大切なことを教えてもらった朝でした。

嬉しい出来事

2020年11月4日

木枯らし一号の吹いた朝。東京は雲一つない晴天に恵まれました。からりと乾いた空気のなかに、ひんやりと冬の気配がしています。

今日は嬉しい出来事がありました。数年前から通っていただいているお客様が、これまでのりげんどうのお食事の記録をアルバムにまとめて見せてくださったのです。

小鉢のひとつひとつまで丁寧に撮って下さって、「これが美味しかったのよ」と当時の思い出もあわせて教えていただきました。アルバムのなかには、召し上がった後のお膳の写真まで。「ここでつかっている器が好きでね」というお言葉から、りげんどうでの時間・空間・しつらい、そのすべてに愛着をもっていただいていることを感じ、ありがたいことだなあと胸が温かくなりました。そして、これからも、りげんどうでのひと時をたのしんでいただけるよう、努力していかなければなあと感じた瞬間でもありました。

日ごとに寒さがます11月。今月のお食事には、具だくさんの豚汁をご用意いたしました。箱寿司御膳も、今月からは温かい「蒸し寿司」に。ほかほかと湯気の立つお食事で、皆さまに元気とくつろぎのひと時をお届け出来ますように。