りげんどうの日々

捨ててしまうもの

2017年3月16日

少しづつ、りげんどうの庭の木々が芽吹き始めています。

春とはいってもまだまだ着るものはあたたかいコートとマフラーが手放せませんね。

「はじめちょろちょろなかぱっぱ、赤子泣いても蓋とるな」

これはかまど炊きのご飯の火加減の極意です。りげんどうの本社は島根県の大田市というところにあります。

自社が営んでいるお宿「他郷阿部家」では、かまど炊きのご飯を薪をくべて炊き、そのおむすびをお客様に召し上がっていただいていますが、ここはかまどがないため、ランチのごはんは「一志朗窯」という一升炊きの大きな土鍋で毎日せっせと炊いています。

この土鍋で炊くごはんはふっくらつやつやで、甘みがあり、炊き立ては格別なのです。

そして、土鍋で炊くと毎日おこげという副産物が出来上がります。昔の人はあたりまえに食べていたこのおこげも、今では、お店で出すとみなさん珍しがって喜ばれます。

それでも毎日おこげがとれ、ストックはパンパン。捨ててしまうのももったいないのでどうしようか…と考えスタッフのアイデアからおこげを3日間ほどお日様に干し、それをからりと揚げ、おせんべいのようにして、只今パフェに添えております。

おこげを干している状態

これを胡麻油でからりと揚げ、熱いうちに塩やお醤油をじゅっとかけて頂くおせんべい。これ、止まらない美味しさなんです。

ただ今の箸間メニュー「お雛パフェ」

それでもさらに残ってしまうこのおこげたち…。

スタッフに、ある日言いました。「もう、おこげストックたくさんあるから捨てていいかな~?」
するとスタッフ「それ、おじやにするとおいしいんでもらってもよいですか…?」
野菜の端キレなどすてようとすると、必ずもったいないお化けのように現れ、大事に持っていき家で調理して食べてくれるスタッフたち。

私も、彼女たちに見習い、おこげをもらっておじやにして食べてみました。

捨ててしまうのはもったいないくらい滋味深い味。
あんまり美味しくて…おこげを使った新メニューに思いを巡らせてしまいました。

自社の大切にしていることの中に、「捨てられていくものに価値を見出すこと。」と「復古創新」があります。

りげんどうの食を考える上でも、この2つの言葉は大切にしていることの一つです。

さて、おこげを使って何をつくろうかな♪

なにかいいアイデアあれば、そっと耳打ちしてくださいませ。

(オオイケ)